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目次
過去には「四次元ポケット」が商標登録された事があった。
現在、あまり大きな問題にはなっていないが、「未来デパート」という、商標が、株式会社そごう・西武によって取得されているという問題があります。
【悲報】ドラえもんの、「未来デパート」が、商標登録されていた。未来デパートが、「株式会社そごう・西武」、一社の傘下に!?
過去には、「四次元ポケット」という商標を、ドラえもんと関係のない企業が取得して、無事、取り消しになった事がありました。
以下引用抜粋。引用抜粋元:特許業務法人 (http://ip-win.com/news/)
さて、ドラえもんといえば、あの“ひみつ道具”が出てくる「四次元ポケット」ですよね。
ポケット自体は、いくらでも物が入る収納道具ですが、
頭の中でイメージすると、内部のコンピューターが格納された“ひみつ道具”を探り出してくれます。
あんなポケットがあればいいのにな~なんて、思った方は多いのではないでしょうか?
「スペアポケット」という、内部で空間がつながった、同型・同性能のポケットもありますね。その「四次元ポケット」ですが、ドラえもんとは関係のない第三者が商標出願してしまい、
いったんは商標登録を受けてしまいました。
審査で拒絶理由通知を受けることもなく、すんなりととおってしまったようです。「四次元ポケット」といえば「ドラえもん」。
「ドラえもん」といえば「四次元ポケット」。
なのに、無関係の第三者に商標権を与えるなんて、特許庁はおかしいじゃないか!ということで、
ドラえもんのキャラクターライセンス事業を行う小学館集英社プロダクションが、
その商標登録(第5733579号)に対する登録の異議を申し立てました。そして、無事に登録が取り消されることになりました(異議2015-900124)。
いったん登録になった商標を取り消せる?
いったん登録を受けたら安泰なんじゃないか、
苦労して商標権を取った人なら、誰しもそう思いたいところです。
あるいは、商標を取ろうと思ったけど、先に登録されているからあきらめよう。。
そんな方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実は商標登録を取り消したり、無効にしたりすることは、
それに値する理由があれば、可能なのです。なぜかと言いますと、
審査する人も人間、いくら審査のエキスパートである審査官であっても、
判断を誤ってしまうこともあるからです。
一方で、一度成立してしまった、本来登録を受けるべきでない商標を、
そのまま独占権として認めることは、妥当ではないからです。もちろん、むやみに登録の取消・無効を認めると、
今度は商標権者にとって安心できない制度になるので、
取消・無効が認められる“理由”は限定されています。では、今回はどんな理由で登録取消を認められたのでしょうか?
「四次元ポケット」取消の理由
まず、「四次元ポケット」が、「ドラえもん」の漫画やテレビアニメ等で長年登場してきた実績が証明され、
需要者の間に広く認識されていることと、ドラえもんのひみつ道具である他に意味を有しない造語であることが認められました。その上で、この登録商標で指定された商品・役務が、
「業務用テレビゲーム機用プログラム」や「インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル」「電子出版物」「デザインの考案」「電子計算機用プログラムの提供」といったものであり、
多種多様なキャラクター商品が展開されている現状を見ると、
やはり「ドラえもん」を想起・連想してしまう、との判断が示されました。
つまり、「ドラえもん」に係る権利を有する企業が扱う商品やサービスであるかのように、
需要者が出所を混同してしまうおそれがある、とのことです。もう1つ、ドラえもんの「四次元ポケット」のことは商標権者だって知っていたはずで、
「ドラえもん」の知名度(周知性)や魅力(顧客吸引力)に便乗して不当な利益を得ようとしたのだろう、と推認されてしまいます。
そんな商標は、出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、
登録を認めることは到底容認できないから、公序良俗に反するものだ、
と結論が出たのです。こうして、商標「四次元ポケット」は、取り消され、
権利は消滅(四次元ポケットの中にもない)したのです。漫画やテレビアニメで人気のキャラクターや、そこに頻繁に出てくる言葉は、
ファンなら誰でも認める、大切な財産です。
それにあやかりたい気持ちは分からなくもないですが、
商標の魅力や知名度は、自分の努力で築いていくことが必要ですね。ちなみに「四次元ポケット」の言葉、
Google検索すると、ドラえもんと関係のなさそうなところで使われていますが、
これは放置しても大丈夫なのでしょうか?
もしかしたらこれをきっかけに、不正競争防止法による対処や、
あるいは小学館集英社プロダクションが、きちんと商標登録した上で権利行使するかもしれませんね。
上記のように、一旦は拒絶理由もなく、すんなり、審査の通ったドラえもん関連の商標が、取り消しになった事例もあります。
もし、今誰も問題にしなければ、「未来デパート」は、株式会社そごう・西武の傘下となり、いつの時代か「未来デパート」といえば、そごう・西武。という時代が来てしまうかもしれません。
小学館との話し合いの上の商標権取得なのか?
まぁ小学館集英社プロダクションが認めた上での商標登録と言う可能性もあるので、何とも言えませんが・・・。
しかし、たった一時 (いっとき)、ドラえもんのイベントで「未来デパート」を開催したいからと言って、「未来デパート」の商標権を、ドラえもんと直接関係のない大企業が取得するのはおかしな話です。
なぜなら、商標権というものは、たった一時(いっとき)のものではなく、商標登録のお金を払い続ければ、未来永劫 (みらいえいごう)、その権利は独占できるのです。
今回は明らかに、小学館集英社プロダクションとの商標権の話し合いがなされた上での登録でなければ、商標は無効になると判断できる事案です。
取り消しされるべき理由 の文章(予想)
※ほぼ「四次元ポケット」の商標取り消し理由 (商標審決:http://shohyo.shinketsu.jp/)を引用致しましたが、この例は、ほぼ、「未来デパート」にも当てはまると、私は考えました。
1 商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、我が国を代表する漫画・アニメの主人公「ドラえもん」の代名詞である「未来デパート」と同一の構成文字からなる商標であり、その指定商品は、申立人の業務に係る商品と類似する。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
2 商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、「ドラえもん」の代名詞である「未来デパート」と同一の構成文字からなる商標であるから、これがその指定商品又は役務について使用した場合、商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
3 商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、「ドラえもん」及びその代名詞である「未来デパート」に化体した顧客吸引力に便乗する剽窃的な意図をもって登録出願されたものであるから、信義誠実の原則を損ない、公正な取引秩序を阻害し、公の秩序を乱すおそれがあるものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。
4 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第7号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2の規定により、その登録が取り消されるべきである。
第3 取消理由通知
当審において、商標権者に対して平成○○年○○月○○日付けで通知した取消理由は、次のとおりである。
1 「未来デパート」の文字(語)について
(1)申立人提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査によれば、次の事実を認めることができる。
ア 申立人は、娯楽及び教育等を提供する法人であり、その一環として、本件商標の登録出願の日前から、「オバケのQ太郎」、「ドラえもん」、「ポケットモンスター」などのキャラクターに関連する商品化事業等を行っている(申立人主張,職権調査:申立人ホームページ)。
イ 「ドラえもん」は、藤子・F・不二雄氏作による漫画、アニメであり、1969年に雑誌の連載が開始、1973年にテレビ放送が開始、さらに1980年にはアニメーション映画の上映が開始され、現在においてもテレビ放送は毎週、映画は毎年、放送及び上映が続けられている(申立人主張,職権調査:フリー百科事典「Wikipedia」ほか)。
ウ 「ドラえもん」は、上記漫画、アニメの主人公でもあり、株式会社ビデオリサーチが毎年2回(6月,12月)実施する「キャラクターと子供マーケット調査」において、子供が選ぶ人気キャラクターで、2009年(平成21年)6月から2014年(平成26年)6月まで11回連続1位であった。また、母親が選ぶ人気キャラクターでは、少なくとも2013年(平成25年)6月及び2014年6月はいずれも8位であった。(甲2,3)
エ 「ドラえもん」(漫画、アニメ)では、主人公であるネコ形ロボット「ドラえもん」が、未来の「未来デパート」から各種の「ひみつの道具」を購入し、用いて、もう一人の主人公である「のび太」を助ける、といったストーリーが展開される(職権調査:フリー百科事典「Wikipedia」ほか)。
オ 「未来デパート」は、本件商標の登録出願の日前に発行された「ドラえもん」に係る図鑑、事典において、「ひみつの道具」などの一つとして掲載されている。
(2)上記(1)の事実からすれば、本件商標の登録出願の日前から長年にわたり、「(キャラクターとしての)ドラえもん」が需要者の間に広く認識されていること、また、「未来デパート」が「(漫画・アニメの)ドラえもん」で毎回のように「ひみつの道具」を購入する場所の一つとして表されていること、さらに、「未来デパート」の語が「(キャラクターとしての)ドラえもん」を想起し得ることから、「未来デパート」の語は、本件商標の登録出願の日前から、「ドラえもんのひみつ道具を販売する店舗」を表す語として、需要者の間に広く認識されていたものと判断するのが相当であり、それらの認識は、本件商標の登録査定の日はもとより、現在も継続しているものといえる。
2 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)本件商標は、前記第1のとおり、「未来デパート」の文字からなるものである。
そして、該文字は、上記1(2)のとおり、「ドラえもんのひみつ道具を販売する店舗」として、本件商標の登録出願の日前から現在まで継続して、需要者の間に広く認識されている「未来デパート」の語と同一の文字からなるものである。
(2)ところで、申立人提出の甲各号証によれば、「ドラえもん」に係る商品は、文具、生活雑貨、洋服、おもちゃを含む多種多様な商品等が販売され、「未来デパート」にちなんだ商品やプロジェクトも存在している事実が認められる。
そして、人気のキャラクターについては、該キャラクターに係る多種多様な商品(いわゆる「キャラクター商品」)等が販売されることが一般的であることを併せみれば、前記1(1)ウの事実から人気のキャラクターといえる「ドラえもん」についても、本件商標の登録出願の日前から多種多様なキャラクター商品等が販売されていたと推認できる。
(3)上記(1)及び(2)からすれば、「未来デパート」の文字からなる本件商標は、その登録出願時及び登録査定時において、これをその指定商品及び指定役務について使用した場合、これに接する需要者をして、多種多様なキャラクター商品が販売されている「ドラえもん」を想起・連想し、当該商品及び役務を、「ドラえもん」に係る権利を有する者(例えば、申立人)あるいは「ドラえもん」に係るキャラクター商品を販売等する者など「ドラえもん」に係る権利を有する者の業務に係る商品や役務であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
3 本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性について
(1)本件商標は、上記1のとおり、本件商標の登録出願の日前から「ドラえもんのひみつ道具を販売する店舗」として需要者の間に広く認識されている「未来デパート」の語と、同一の文字からなるものである。
(2)そして、「未来デパート」が需要者の間に広く認識されていること、及び「未来デパート」の語が他に意味を有しない造語であることからすれば、本件商標の商標権者(以下「商標権者」という。)は、本件商標の登録出願の時に、「ドラえもんのひみつ道具を販売する店舗のひとつ」である「未来デパート」を知っていたとみるのが自然である。
(3)さらに、商標権者が「ドラえもん」に係る権利を有する者とは認めらないことを併せみれば、本件商標は、「未来デパート」ないしそれから想起・連想される「ドラえもん」が有する周知性及び顧客吸引力に便乗して、不当な利益を得ようとの目的をもって登録出願されたものと推認せざるをえず、その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないから、公の秩序又は善良の風俗に反するものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものである。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同項第7号に違反してされたものといわなければならない。
第4 商標権者の意見
んーその通り。
第5 当審の判断
本件商標についてした前記第3の取消理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同項第7号に違反して登録されたものであるといわざるを得ないから、その他の登録異議の申立ての理由について判断するまでもなく、本件商標の登録は、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
こうなるといいなぁ。